紹介
「禁教で変容した信仰」という従来のイメージをくつがえし、長年の「かくれキリシタン」論争に終止符を打つ―。400年前の宣教師たちが日本人の精神と暮らしを理解して創出した「日本人のキリスト教」と、それを禁教の時代にも守り続けるために信者が選択した「信仰並存」という形態を、多角的な研究から明快に描き出した画期的な書。世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」で登録された構成資産の集落、平戸、生月、外海、天草、五島などの信仰の実相を体系的に紹介する。★2018年刊行の『かくれキリシタンの起源』をソフトカバーにしてお求めやすくしました。
目次
第一章 かくれキリシタンについての考え方
・従来のかくれキリシタン理解とその問題点
第二章 かくれキリシタン信仰の実相
・20年のフィールドワーク調査と文献調査による、かくれキリシタン信仰の全容
第三章 かくれキリシタン信仰の成立過程
・キリシタン信仰の成立と、かくれキリシタン信仰の起源
第四章 かくれキリシタン信者の経済活動
・「弾圧落ちのび説」とは何か
・捕鯨、積石工、サツマイモ栽培、多様な漁業
第五章 イメージとしてのかくれキリシタン
・かくれキリシタン像への違和感はどこからくるのか
終 章 かくれキリシタンとは何か【総論】
・「日本人のキリスト教」創出の果て
【関連資料】オラショ「一通り」全文/関連年表 他
著者
中園 成生
なかぞの・しげお
1963年福岡県生まれ。平戸市生月島博物館・島の館学芸員。熊本大学文学部(民俗学)卒業。捕鯨史やかくれキリシタン信仰の調査・研究に取り組む。
著書に『鯨取り絵物語』(共著)『かくれキリシタンとは何か』(以上、弦書房)『かくれキリシタンの聖画』(共著、小学館)他。
弦書房より発行の関連書籍
かくれキリシタンの起源 | |
かくれキリシタンとは何か | |
鯨取り絵物語 |