「山日記 山懐に抱かれて」書評から

著者の大内さんのインタビューが掲載されました。

今年で登山歴がちょうど20年になり、書きためていた山日記を出版した。……83編を写真付きで収録。参考コースと時間、交通手段なども付記した。
「山に登ると心が癒され、忘れられない人や歴史ロマンとの出あいもあった。そういう部分を感じてもらい、山に興味を持ってもらえれば」と大内さん。(朝日新聞/2003年7月12日付)

多くのエピソードも織り込まれ、単に行動の経過を記録しただけではない、味わいのある読み物として楽しめる。
黒田節のモデル母里太兵衛と名槍日本号の話。そのゆかりの地を訪ね遠い昔をしのぶ。このような山+(プラス)挿話の数々が読み手を引きつける。(岳人/2003年10月号)

誤解を恐れずにいえば、特に著名でもない普通の山好きな女性がしたためた山日記。取り立てて高い山に登るわけでもなく、ただひたすらにピークをめざすわけでもなく、身近な山を中心に淡々と歩いた二十年の記録である。ゆえに素朴な味わいがある。山歩きの原点ともいうべき哲学とスタイルと優しい眼差しがある。地味だけど、すごくいい本だ。(Green walk/No.8 2003年秋号 ※『Green walk』は九州発のアウトドア雑誌です)

一回の山行が3~4ページにまとめられているので読みやすい。同じ山が何度かとりあげられているが、山行ごとに山のちがう魅力を描き出しているので、退屈しない。伝説や歴史も調べてあり、女性独特の細やかな観察眼が光っている。(山と渓谷/2003年12月号)