「百合若説話の世界」書評から

坪内逍遥、津田左右吉から新村出、柳田国男や金関丈夫、さらには米国人ヒッバードら比較文学や民俗学による研究の足跡を追い、全国四十四カ所に伝わる説話を紹介する。百合若説話の百科事典ともいえよう。
著者は、多様なバリエーションは語り手による工夫よりも、聞き手側からの要請があったのではないかと、伝承の核心にふれている。(西日本新聞/2003年7月6日付)

各地の百合若伝説の内容の分析や比較分類もていねいになされており、なぜ広範囲に伝わったのか、などあらたな興味もわいてくる。(読売新聞/2003年7月12日付)