弦書房週報 第40号

▶朝日新聞夕刊の「ジャーナリズム列伝」が好評です。きょう7月27日で林えいだい氏の20回におよぶ聞き書き(6月29日〜7月27日)が終了します。ノンフィクション作家とはどうあるべきか。なぜ、そこまでして書くのか。この20回の連載から、取材対象へ迫る林えいだい氏の驚嘆すべき精神力がみえてきます。『写真記録 筑豊・軍艦島《朝鮮人強制連行、その後》』(定価 2100円)

▶堀越千秋氏の新作個展が東京・神田の檜画廊(03・3291・9364)で。7月25日(月)〜8月6日(土)。また東京・千代田区六番町のセルバンテス文化センター(03・5210・1800)で7月26日(火)〜9月10日(土)。『赤土色のスペイン』(堀越千秋、定価 2520円)

▶高島野十郎の150点におよぶ絵画の展覧会が人気です。福岡県久留米市の石橋美術館で8月21日(日)まで。何度見ても魅きつけてやまないロウソクの絵が20点以上まとめて展示されているのもうれしい。闇をひたすらに描き続けた画家の生涯が伝わってきます。『野十郎の炎』(多田茂治、定価 1890円)

▶菊畑茂久馬氏の個展が福岡市美術館で8月28日(日)まで。また長崎市の長崎県美術館で8月31日(水)まで。オブジェと絵画作品を体系的に見ることのできる見ごたえ充分の2館同時開催。福岡市美の「天動説」シリーズ、長崎県美の新作「春風」シリーズなど、この画家の思索の深さが伝わってきます。また長崎県美では、常設ルームに鴨居玲と鴨居羊子の二人展を同時に見ることができるのもうれしい。『絵かきが語る近代日本《高橋由一からフジタまで》』(菊畑茂久馬、定価2520円)

▶吉田博のすばらしい版画が8月号の「岳人」で特集されています。山好きな人でなくとも山が好きになる美しい山の版画が紹介されています。
『山と水の画家・吉田博』(安永幸一、定価2205円)、『水彩日和《九州・心に残る風景を訪ねて》』(品原克幸、定価2310円)

▶野見山暁治さんの個展が福岡県久留米市の石橋美術館で9月1日(木)〜10月16日(日)。会期中の9月17日(土)に作家・村田喜代子さんと野見山さんとの対談が予定されています。『眼の人・野見山暁治が語る』(北里晋、定価2100円)

『霊園から見た近代日本』(浦辺登、定価1995円)が荒俣宏さんの書評(朝日新聞・6月19日〈日〉付)を得て、好評です。青山、谷中など墓地の中に立つことで見えてくる歴史の声と事実関係が鮮やかに記述されています。

▶九重の法華院・坊がつるの魅力を紹介するテレビ番組「日本の百名山」が8月5日(金)夜10時〜11時、BSフジで放送されます。坊がつる讃歌の作詞にまつわる話も出てきます。『九重山・法華院物語《山と人》』(松本征夫/梅木秀徳、定価2100円)

(表示定価は税込)