紹介
名著『日本浪曼派批判序説』(1960)が刊行されるまでの前半生――
丸山眞男、吉本隆明、竹内好らと交流を重ね、昭和精神史の研究で重要な著作を残した思想家・橋川文三(1922-1983)。その人間と思想の源流に迫る評伝。膨大な文献と「橋川ノート(日記)」や対談・座談から明らかになった新事実をもとに、日本浪曼派に魅惑された一高時代、丸山眞男を師表と仰いだ編集者時代等、若き日の軌跡をたどる。
目次
第1章 対馬・広島での原風景
中学生から詩、短歌、エッセイを発表
第2章 一高時代
日本ロマン派(保田與重郎)に惑溺
第3章 大学時代
徴兵検査で丙種=学徒出陣できず勤労動員へ
第4章 編集者時代
一家は離散、丸山眞男に親炙(=師事)
第5章 恋と革命
一人の女性への純愛とマルクス主義との格闘
第6章 回生への道程
療養生活、退院、結婚、学者の道へ
【橋川文三年譜】
著者
宮嶋 繁明
みやじま・しげあき
みやじま・しげあき
1950年、長野県生まれ。明治大学政経学部卒。学生時代橋川文三に師事。現在編集プロダクション代表。著書『三島由紀夫と橋川文三《新装版》』『橋川文三 日本浪曼派の精神』『橋川文三 野戦攻城の思想』(以上、弦書房)。主要論文「戦争の『きずあと』―遅れてきた父の戦記」(「隣人」19号)など。
弦書房より発行の関連書籍
橋川文三・野戦攻城の思想 | |
三島由紀夫と橋川文三【新装版】 |