連載コラム: 『産業遺産巡礼』 2017.03.24

file13 竹田邸

市原猛志

【竹田邸(江戸時代(1784年以降)竣工)名古屋市緑区】
 
 半田での見学会を終え、そのまま名古屋駅に直行し新幹線で帰る予定であったが、途中建物保存関係の知人から連絡があり、東海道・有松宿をご案内いただく機会に恵まれた。有松は東海道沿線に古くからある宿場町で、いわゆる五十三次の宿場ではないのだが、歌川広重が描いた浮世絵の代表作「東海道五十三次」の鳴海宿は、実際はここ有松を描いたものであるという。2016年7月に文化庁の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定され、名実ともに東海道を代表する歴史的な街並みと言える。
 その街並みの中で、今回拝見したのが竹田邸。現在は有松絞の製造と販売を行う竹田嘉兵衛商店の店舗兼住宅として使用されている。江戸時代からの手仕事を行う二次産業の建物が現在でも同一用途で使用されているのは、まさに奇跡的と言えよう。火災予防のための塗籠造の重厚な外観と内装の落ち着いたたたずまいとのギャップは古き良き日本家屋ならではの優美さを持っている。現代の流行に適った絞りの新作展示も行っており、伝統と流行とが交錯する空間としても目が離せない建物だと言えよう。
 
 
 
竹田邸

▲竹田邸(江戸時代(1784年以降)竣工)名古屋市緑区

 
 
 

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