紹介
石牟礼道子の遺した預言とは何か。そして彼女はどこへ帰って行ったのか。
2018年2月10日、石牟礼道子氏が死去した。著者・渡辺京二氏は、故人の最もよき理解者として互いに支え合ってきた。本書には、故人の闘病の姿と絶えることのなかった執筆(表現)への意欲を著した「石牟礼道子闘病記」を収録。他に新作能「沖宮」の謎についての深く鋭い論考や「春の城」「椿の海の記」「十六夜橋」など各作品に込められた深い含意を伝える。石牟礼作品を読み解く貴重な一冊。
目次
【目次から】
脱線とグズリ泣き
石牟礼文学の多様性
『椿の海の記』讃
『十六夜橋』評釈
『春の城』評釈
『沖宮』の謎
書評『不知火おとめ』
書評『「苦海浄土」論』
書評『潮の日録』
誤解を解く
カワイソウニ
石牟礼道子闘病記
事実を伝えるために
著者
渡辺 京二
わたなべ・きょうじ
1930年、京都市生まれ。熊本市在住。日本近代史家。主な著書に『北一輝』(毎日出版文化賞、朝日新聞社)『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞、平凡社)『近代をどう超えるか―渡辺京二対談集』『もうひとつのこの世-石牟礼道子の宇宙』『死民と日常―私の水俣病闘争』『万象の訪れ-わが思索』『預言の哀しみ―石牟礼道子の宇宙Ⅱ』『江戸という幻景』『荒野に立つ虹』『未踏の野を過ぎて』『幻のえにし-渡辺京二発言集』『肩書のない人生—渡辺京二発言集2』『小さきものの近代』(以上、弦書房)『黒船前夜-ロシア・アイヌ・日本の三国志』(大佛次郎賞、洋泉社)『バテレンの世紀』(読売文学賞、新潮社)『原発とジャングル』(晶文社)など。
弦書房より発行の関連書籍
〈渡辺京二対談集〉近代をどう超えるか | |
未踏の野を過ぎて | |
新編 荒野に立つ虹 | |
江戸という幻景 | |
万象の訪れ | |
幻のえにし 渡辺京二発言集 | |
もうひとつのこの世 | |
死民と日常 |