「水俣病公式確認から2007年5月で51年。この写真集の著者たちは、この長い事件のそれぞれの時点で水俣に住み、受難者たちの近くにあった。彼らは水俣に来て何を見て、どんな未来を描き、どんな思いを抱いたのであろうか。1960年から今日に至るまで、時々の一瞬をとどめた渾身の写真84点がここにある。
「私は思う。水俣を見た7人の撮った写真たちを、私たちの新たな希望づくりにしていきたいと」(水俣病資料館館長・吉本哲郎)
桑原 史成
1936年島根県生まれ。『写真集「水俣病1960~1970」』『写真集「韓国原影」』など多数。日本写真協会賞、伊奈信男賞など受賞。
塩田 武史
1945年香川県生まれ。1968年、胎児性水俣病患者を初めて撮影。『写真報告 水俣-’68~’72深き淵より』で国連環境計画主宰の第1回「世界写真コンテスト」特別賞受賞。
宮本 成美
1947年東京都生まれ。1970年厚生省前の座り込み取材以来、一株運動・自主交渉、砂田明の一人芝居、不知火海学術調査団に同行撮影、「水俣の語り部」撮影、能「不知火」等を撮影。
W・ユージン・スミス
1918年米国生まれ。1944年「ライフ」の取材でサイパン、硫黄島などへ向かう。「チャップリン」「慈悲の人シュバイツァー」「東洋の巨人」等を発表。写真集『MINAMATA』英語版。ロバー ト・キャパ賞受賞。
アイリーン・美緒子・スミス
1950年東京都生まれ。写真集『MINAMATA』英語版・日 本語版。グリーン・アクション代表。
小柴 一良
1948 年 大阪府生まれ。
1972 年 大阪西川孟写真事務所に撮影助手として入所。その間、土門拳氏の『古寺巡礼1 大和編』『女人高野室生寺』等の撮影助手を務める。
1974 年 水俣、出水の水俣病を取材。
1979 年 帰阪。この年より企業・自治体のCM、広報写真撮影始める。
2007年 「 水俣を見た 7 人の写真家たち」展(水俣病資料館)に参加、その合同写真集(弦書房)で、初めて水俣作品を発表。宮崎・豊橋・浜松・横浜・相模原で写真展を開催する。
2009 年 新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロンで「水俣よサヨウナラ、コンニチワ」展を開催。
2011 年 キャノンギャラリー銀座で「Esprit de Paris」を開催。キャノンギャラリー札幌で同写真展開催。
2012 年 キャノンギャラリー梅田で同写真展開催。
2013年 『 水俣よサヨウナラ、コンニチワ 1974-2013』(日本教育研究センター)写真集出版。
2014 年 『パリの印象』(用美社)写真集出版。
2018 年 銀座ニコンサロンで「FUKUSHIMA・小鳥はもう鳴かない」を開催。大阪ニコンサロンで同写真展を開催。『FUKUSHIMA・小鳥はもう鳴かない』(七ツ森書館)写真集出版。
2022 年 熊本日日新聞社・新聞博物館で「9 人の写真家が見た水俣」展開催。『写真・東京暮色TOKYO TWILIGHT』(草土社)写真集出版。(公益社団法人)日本写真家協会会員(一般社団法人)「水俣・写真家の眼」理事
田中 史子
1941年長野県生まれ。写真集『生(いのち)-40年目の水俣病』。
芥川 仁
1947年愛媛県生まれ。写真集『水俣・厳存する風景』『土呂久・小さき天にいだかれた人々』など多数。
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