大阪生まれの著者は、1971年に大阪で開かれたチッソの株主総会(水俣病患者たちも一株株主として参加)にカメラを持ち込み混乱する会場を撮影したことを契機に、水俣病事件とかかわり始める。何かに導かれたように水俣現地で暮らし生活者の視点で水俣を撮り続ける。しばらくの間水俣を離れていたが、常に水俣の海や山、街と現地の暮らしを意識し続けた。収録した251点の写真は、水俣と水俣病を50年以上じっと見続けてきた重要な記録である。「近代」が犠牲を強いた人間の生と死に、様々な姿があることを教えてくれる。
第1 章 受難者たち
第2 章 胎児性・小児性水俣病
第3 章 子供たち
第4 章 海と地
関連年表
一瞬と永遠と 高峰武
小さな声が埋もれていないか 野中大樹
関連地図
あとがき
小柴 一良
1948 年 大阪府生まれ。
1972 年 大阪西川孟写真事務所に撮影助手として入所。その間、土門拳氏の『古寺巡礼1 大和編』『女人高野室生寺』等の撮影助手を務める。
1974 年 水俣、出水の水俣病を取材。
1979 年 帰阪。この年より企業・自治体のCM、広報写真撮影始める。
2007年 「 水俣を見た 7 人の写真家たち」展(水俣病資料館)に参加、その合同写真集(弦書房)で、初めて水俣作品を発表。宮崎・豊橋・浜松・横浜・相模原で写真展を開催する。
2009 年 新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロンで「水俣よサヨウナラ、コンニチワ」展を開催。
2011 年 キャノンギャラリー銀座で「Esprit de Paris」を開催。キャノンギャラリー札幌で同写真展開催。
2012 年 キャノンギャラリー梅田で同写真展開催。
2013年 『 水俣よサヨウナラ、コンニチワ 1974-2013』(日本教育研究センター)写真集出版。
2014 年 『パリの印象』(用美社)写真集出版。
2018 年 銀座ニコンサロンで「FUKUSHIMA・小鳥はもう鳴かない」を開催。大阪ニコンサロンで同写真展を開催。『FUKUSHIMA・小鳥はもう鳴かない』(七ツ森書館)写真集出版。
2022 年 熊本日日新聞社・新聞博物館で「9 人の写真家が見た水俣」展開催。『写真・東京暮色TOKYO TWILIGHT』(草土社)写真集出版。(公益社団法人)日本写真家協会会員(一般社団法人)「水俣・写真家の眼」理事
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